CADオペレーターはキャリアアップできる?キャリアアップに必要なスキルとは

       

公開日:2022/11/08

東京では建設業の人材派遣が無数にあります。建設業はどの業種も人手不足が続き、CADオペレーターも需要があります。しかしこれからは単なるCADのオペレーションではなく設計者の業務をサポートする設計補助的な働きが求められます。ぜひこうした経験とキャリアアップを積み、高い給与を目指しましょう。近年は特にBIMオペレーター、モデラーは高い需要があります。

CADオペレーターはキャリアアップできるのか

CADオペレーターもほかの業種と同じく、キャリアアップができます。しかし「これさえできればすぐキャリアアップできる」という近道はなく、コツコツと経験を積み上げるのが一番です。経験が豊富でなく目立つスキルがなくても、コミュニケーション能力、設計者が求めるものをアウトプットする能力が高ければキャリアアップに繋がります。

正確に、多く、見やすく仕上げる

CADデータは正確に作り、納めることが求められます。数値の打ち間違いなどエラーをできるだけ防ぎ、建築士から依頼されたラフをもとに、正確に早く製図を作ることが求められます。見やすいデータの作り方、企業による入力規制やルールを守ることも重要で、見やすくわかりやすい図面をかくことがスキルアップの近道です。

納期を守る

CADオペレーターは設計担当者の指示でCAD図面を作成・修正するのが仕事になります。そのため設計担当者から納期を指定されるのが一般的です。少々無茶な納期を言い渡されることも珍しくないですが、できる範囲で納期を守りましょう。

納期に間に合わないと判断したら、その場かできるだけ早い時期に理由をきちんと伝え、設計者に対策を講じてもらう、チーム内で分担させてもらうなど、自ら問題を抱えずに発信することでさらに大きなトラブルを避けることができます。

コミュニケーション能力は必須

職人仕事のCADオペレーターですが、コミュニケーション能力は必須。設計担当者や他のCADオペレーター同士で打ち合わせすることが多いためです。

自分が担当する仕事が終わった場合、チームの別のオペレーターが納期でひっ迫している場合などは、率先して次の作業指示を伺いに行ったり協力を申し出たりするなど、自分のアイドリング時間を減らす為のコミュニケーションが必要になります。

技術的なキャリアアップにはBIMの習得が近道

効率的にキャリアアップを目指すなら、BIMの扱いにも慣れていきましょう。近年はBIMの需要が高まり、専門のオペレーターやモデラー、コーディネーターが足りない状況が続いています。

BIMはクラウドなどの領域にバーチャルで実際に建物を建てながら、様々な検討をしていくツールです。素材の強度や建築基準法に基づく設計など、建築に関わるさまざまな要素を1つのモデルにまとめて設計ができます。

主なBIMソフトは5種類ありますが、建築業に限ればRevitが6割、Archicadが5割ほどのシェア。この2つのソフトが操作できれば、日本国内の多くの職場で活用できるでしょう。

キャリアアップするのに必要なスキル

CADオペレーターのキャリアアップに必要なスキルは、CAD設計プラスアルファの能力を築くこと。たとえば設計士や建築士を目指す、BIMを習得するなど、さまざまな方法があります。人に教えるのが苦にならないタイプの方ならCADを教える講師という方法もあります。

建築士、設計士

建設業に欠かせない建築士。建築士になれば独立して自ら経営者になることもできます。しかし建築士資格は国家資格のため、気軽に資格所得することは難しいでしょう。

二級建築士を受験するためには普通高校卒業後7年の実務経験か、建築学科の4年制大学を卒業する必要があります。二級建築士資格を得て高卒なら4年、4年制大学の建築学科卒業後2年の実務経験があれば、一級建築士の受験資格が得られます。かなりハードな道のりですが、確実にキャリアアップできる方法です。

BIMを習得し、「BIMオペレーター」に

CADオペレーターの立場でスキルアップを目指すなら、BIMを習得しましょう。CADオペレーターにもBIMの技能が求められる時代になりました。

データの正確なモデリング、BIM設計作業全般の調整など建築知識が求められます。大手はもちろん、中小企業でもBIMの活用は増えているため、今後は必須スキルといえるでしょう。

CADオペレーターの平均年収は?

CADオペレーターの平均年収は約400万円強ですが、経験や技能により大きく異なります。年収200万円以下になることがありますが、責任者なら900万円を超えることも。「まずは平均年収を超える」ことを目指しましょう。

派遣の場合、時給1,700~2,000円が相場

東京都の建築業で働く場合、派遣なら時給1,700円から2,000円が相場です。CAD初心者の場合はさらに低い可能性もあります。派遣業の場合は完全週休2日、残業ゼロの職場もありますが、その場合の月収は1,700円×8時間×20日で272,000円ほど。年収換算で326万円ほどです。

しかしここから所得税や住民税などで8~10万円ほど引かれるため、手取りは17~19万円ほどになります。フルタイムでなく、ヘルプでスポット的に作業をする場合は、さらに給与は下がります。派遣業であってもスキルアップが必須です。

まとめ

CADオペレーターは日常業務だけでなく、常に技術を磨き新しいソフトに慣れる必要があります。さらにスキルアップを目指すのは決して簡単ではありませんが、需要が高いスキルを身に付ければ、常に求められる人材に成長します。

CADオペレーターは一つの通過点で、この技能を活かしてさらにステップアップすることが派遣で稼ぐコツです。派遣業者はスキルアップ講習を行うところが多いため、講習のある業者を選ぶと講習代を節約することができるでしょう。

               

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