施工管理はどんな仕事にキャリアチェンジ可能?経験を活かせる職場とは
働き方改革がなかなか進まない建築業界のなかで、施工管理技士の仕事内容が、ワークライフバランスが取れない、転勤や出張が多いなどの理由でキャリアチェンジを考えている人が少なくありません。ここでは、施工管理の経験を活かせる仕事や施工管理から異業種への転職が可能か、失敗しない転職のポイントについてご紹介します。
施工管理の経験を活かせる仕事・職場とは
施工管理の経験や知識を活かせる職場には、どのようなものがあるのでしょうか。実は施工管理経験があれば、建築業界の多岐にわたる分野で活躍が期待できます。
不動産
家やビルなど工事で出来た建物を販売する不動産仲介営業の仕事は、建物の価値を正当に見極め評価することが必要です。施工管理で建物を作る側として、つちかった知識や経験が役に立ちます。また、新しい住宅地やリゾート地の開発、大規模な不動産開発や再開発を行うデベロッパーとしても、施工管理の現場で積んだ経験が役立ちます。
設備・メンテナンス
マンションやビル、学校や病院などの建物の設備やメンテナンス、点検などを行う仕事です。設備といっても配線関係や空調設備から、大型の貯水槽やエレベーターまで内容は多岐にわたります。
専門の業者とのやり取りも発生するため、施工管理の現場で行っていた業者とのやり取りが活かせます。
設計・建築事務所
施工管理の仕事上、図面の見方や書き方、建設可能な図面かどうかを判断する知識などが身についているため、設計事務所や建築事務所で即戦力として歓迎されます。
設計図を作成するCADオペレーターの資格を取得すれば転職で有利になります。
技術系公務員
公民館や公園などの公共施設の建設や、土木工事にかかわる技術系の公務員は施工管理の経験が非常に発揮できます。民間の施工管理とは異なり、工事の発注が主な仕事となります。
再生・開発
総合工事事業者や総合建設業などゼネコンでの営業は、工事や建築資材、施工に関する幅広い知識や経験が求められるため、施工管理での経験が活かせます。
施工管理から異業種へのキャリアチェンジは可能?
異業種に転職する場合に押さえておきたいポイントをご紹介します。
実績や経験のアピール
施工管理の仕事で得た工事や建物に関する知識や経験はアピールポイントになります。工事に関わるスタッフを管理し、工期を守るためにスケジュールを立て、社内外の人とコミュニケーションを取りながら仕事を進める能力は、多くの仕事で活かすことができます。
必要な資格の取得
施工管理の経験を活かせる業界に転職を考えている場合には、転職先で必要になる資格取得も重要なポイントです。施工管理からの転職では二級建築士や宅地建物取引主任者、コンクリート診断士、構造設計一級建築士などは汎用性が高いです。
未経験採用の多い職種
営業や販売などの仕事は未経験でも採用されやすく、もし好成績を残せば、インセンティブで年収を大幅アップさせることもできます。
ただし、施工管理からの転職理由と目的をはっきりさせておくことが大切です。退職理由に関してもネガティブなものではなく、キャリアアップのためなど前向きな理由を伝えることが重要です。
失敗せずにキャリアチェンジするポイント
転職してどうなりたいのか、どうしたいのかを明確にすることが大切です。今の職場に不満があるという理由だけではキャリアチェンジはなかなか難しいです。
退職理由の分析
現在の職場や仕事のどのような点に満足できていないのか、なぜ不満に感じているのか、どうすれば満足できる状況になるかなどを分析します。
理由をしっかりと分析することで、次にどのような環境で働きたいのか把握できます。
転職先に求める条件
退職理由の分析が終わったら、転職した先での待遇や職場環境、収入など具体的な条件を検討して、その中で優先順位や譲れない条件などを決めましょう。
企業情報の収集
自分の条件を軸に転職活動を進めながら、条件がマッチする企業が合ったら情報をさまざまな角度から収集して、その企業の実態をできるだけたくさん把握するようにしましょう。インターネットでの口コミや評判だけでなく、会社説明会などに参加して、直接人事担当者に質問や相談するのも一つの方法です。
まとめ
施工管理は建設・建築関係、工事の知識や図面の読み書き、工程管理などの能力が身につく仕事なので、この経験を活かせる業界での仕事には比較的転職がしやすいです。また、計画通りに物事を進める能力や、マネジメント力、コミュニケーション能力は多くの仕事で活かすことができます。営業職など施工管理とは関係ない職種でも、その経験や知識を活かせる可能性はあります。これから挑戦したい仕事と、施工管理の共通点がないか、探してみるのも良いでしょう。キャリアについて考える時間が取れない人は、転職エージェントを活用することもおすすめです。